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【ニュース】外国人が長く住み続けられる国際都市・札幌とは〜留学生たちのプレゼン大会〜

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2021.08.10

外国人が長く住み続けられる国際都市・札幌とは〜留学生たちのプレゼン大会〜

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ことし4月、HAJ(北海道アルバイト情報社)では、北大フロンティアプログラムを利用する留学生をインターンシップで受け入れ、その課題のひとつとして「留学生の視点で札幌を暮らしやすい街にするアイデアを考える」という取り組みを行いました。(詳しくは北大フロンティアプログラム×HAJ/インターンシップレポートを参照)

そこで出たアイデアはどれも「札幌をもっとよい街に!」という留学生の熱意が感じられ、前向きに検討すべきものが少なくありませんでした。

今回7月30日(金)に行ったプレゼン大会は、そこからさらに内容を掘り下げたものを札幌市の担当者やさっぽろイノベーションラボの会員企業、大学関係者などに提案していこうというもの。留学生たちの熱のこもったプレゼンと当日の様子をご紹介します。

第1チーム「やさしい手続き」(北海道大学の留学生 チーム再序奏)

今回のプレゼンは4月のインターンシップ終了後、約3カ月かけ準備してきたもの。9人の留学生が3つのチームに分かれて提案を行いました。

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ジョブキタビルのSpace360に集まった人々を前に、最初に登壇したのは北海道大学の留学生「チーム再序奏」のメンバー。

チーム再序奏は「やさしい手続き」と題したプレゼンで、外国人にとってわかりにくくて煩雑な行政関係の届け出や銀行口座の開設、携帯電話の申し込みなどについて、スマートフォンのナビゲートアプリを開発することで利便性が高まると説明しました。

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提案の元になったのは、100名以上の留学生から得たアンケート。「手続きの優先順位を知りたい」「郵便受けによくわからない書類が届く」など、留学生のリアルな声を紹介しながらアプリに盛り込む機能について解説しました。

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プレゼンの後半では、アイデアの実現可能性についてSWOT分析の結果も発表され、客席では何度もうなずきながら説明に耳を傾ける人の姿も見られました。

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第2チーム「デジタル都市をめざす」(ベトナム人留学生 チームベトちゃん)

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続いて聴衆の前に立ったのはベトナム人留学生の「チームベトちゃん」。「デジタル都市をめざす」と題して、公共サービスのデジタル化について訴えました。

初めに示されたのは、札幌の知名度は世界的にはまだまだ低いという現実。さらに現在、外国人に知られているのは「食べ物がおいしい」など一部の魅力にととどまり、札幌市のホームページも街の魅力が伝わりやすいものではないと指摘しました。

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一方、IT先進国の例として挙げられたエストニアは、無料通話アプリ「Skype(スカイプ)」を開発した国として知られ、公共サービスの99%が24時間オンラインでできると説明。さらに世界各国からデジタル市民を受け入れておりIT分野への投資や企業誘致につながっていると紹介しました。

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提案ではホームページの改善を皮切りに、マイナンバー制度の機能拡充、電子市民の受け入れなど、札幌市が2027年までに取り組むべきロードマップを提示。

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「札幌に暮らす外国人として、この街がもっと世界から愛されるようになることを望みます」と締めくくったのが印象的でした。

第3チーム「自転車リサイクル」(北海道大学の留学生 チームJ3D1)

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3番手で登場したのは北海道大学の留学生「チームJ3D1」。「自転車リサイクル」と題したプレゼンで、外国人が利用しやすいシェアサイクルのアイデアを披露しました。

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チームがまず説明したのは交通手段としての「自転車」の重要性。留学生の多くが日常的に自転車を利用しており、安価で購入、又はレンタルできる自転車が求められているというアンケート結果を示しました。

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提案の柱は放置自転車を活用した自転車リサイクルシステムの構築。時間単位ではなく長期の貸し出しを前提とし、通勤通学に不可欠な人から貸し出すなど「優先順位」をつけることを紹介しました。

また、未返却を防ぐために「デポジット(保証金制度)」を導入するとし、貸出期限を超えたり、自転車を破損したりした場合は相当額を減じて返金すると、仕組みを説明しました。

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後半には「既存の自転車店には修理やメンテナンスを委託する」など、共存関係を作るアイデアも紹介。細部まで練られたレベルの高いプレゼンを披露しました。

質疑応答を経て観客投票へ

質疑応答では留学生のプレゼンレベルの高さを称える声が相次ぎ、「札幌市としてもぜひ参考にさせていただく」など行政の担当者も前向きな感想を述べました。

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また今回のプレゼン大会では、来場者が「最もよかった」と思うチームを選ぶ、観客投票が行われました。

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HAJ外国人社員も独自にプレゼン

投票結果を集計する間にエキシビションとして行われたのが、HAJ外国人社員によるプレゼン。「外国人と日本人が交流する街をつくる」と題し、オンライン上のバーチャル大学と現実の街を舞台にした夢のあるまちづくりのアイデアを紹介しました。

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プレゼンではHAJに在籍する台湾、中国、ベトナム、ミャンマーという4カ国出身の社員が"交流する街"で実現したい様々な夢を説明しました。

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優勝は「やさしい手続き」のチーム再序奏

投票の結果、最も多くの支持を集めたのは北海道大学の留学生が提案した「やさしい手続き」。観客の一人は「外国の方々だけでなく、道外から移住してくる日本人にとっても便利なアプリになりそう」と感想を伝えました。

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メンバーの一人、ソウさんは「今回のプレゼンが札幌の街が住みやすくなるきっかけとなれば」と感想を話しました。

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主催したHAJ専務取締役・斉藤輝久は「こうしたプレゼンを2回、3回と重ねていき、外国人の生の声を取り入れて、札幌を真の国際都市にしていきたい」とイベントを締めくくりました。


北大フロンティアプログラム

北海道大学及び北海道科学大学による留学生就職促進プログラム。産学連携科目とビジネス日本語教育を通じて、 留学生の日本企業への就職を支援。

問い合わせ/北海道大学工学系事務部教務課
北海道札幌市北区北13条西8丁目
https://hokudai.frontier-program.jp/