待ってるだけではNG!?求職者に響く合同企業説明会のコツ
メルキタ介護
2025.11.20
多くの求職者に直接PRできる合同企業説明会(通称:合説)。しかし「なかなか着席してくれない」「来てくれたけど、応募には繋がらなかった」とお悩みの方もいるでしょう。今回は、合説という限られた時間と場所で効果をどう発揮するか、過去の成功事例をもとに、実践的な方法をご紹介します。
採用スタイルは「待ち」から「攻め」の時代へ
以前は求人を出して応募を待つだけの「待ち」の採用が主流でしたが、労働人口の減少や求職者の価値観の多様化により、現在は企業側から意欲ある求職者へ直接アプローチする「攻め」の採用が重要になっています。
そんな中で、求人広告とは異なる役割で「攻め」に出る手段の一つが合説。年齢層が20〜50代以上まで幅広く、現職中、退職済み、ブランク、パートから社員へのステップアップを考えている人など、さまざまな求職者へ向けて一度にアプローチすることが可能です。また、広告では伝わりきらない職場の雰囲気やスタッフの人柄を直接伝え、応募意欲を高めることができるのも特徴。「応募する前に一度直接話を聞いてみたい」という求職者のニーズに応えることができます。
来場後のフォローも考えて展開を
時間の限られている合同企業説明会では、「ひと工夫」を加えると着席へとつなげることができます。
◎ブースには興味を引く装飾を
来場者の多くは、会場に来て初めて「どの企業の話を聞こうか」と考えています。壁に職場の写真を飾ったり、「資格なしOK」「夜勤なし」「地下鉄駅から○分」など、大きな文字でアピールポイントを掲示しましょう。色味を加えてブースを明るく活気あるように見せるのも効果的です。
◎話は「広く浅く」皆へ向けて
合説は「企業を知ってもらう場」であり、面接の場ではありません。一人の方にロックオンせず、広く浅くいろんな方とお話をする場と考えましょう。
◎的確な誘導を
ブースに一人でも着席していると、他に席が空いていても着席をためらう方が多い傾向にあります。興味を持っていそうな方には「どうぞご着席ください」と促すようにしましょう。席が埋まっている場合は「10分後にまた来てください」と誘導をすることも大切です。
◎リアルな情報を伝える
合説に足を運ぶ求職者は、その場でしか知ることのできない情報を期待しています。会社案内を読み上げるだけでなく、シフトの融通や職場の雰囲気など、現場のエピソードを交えて伝えましょう。現場スタッフが同席して「私の働き方はこうなんです」とお話しすると、よりリアルな情報を求職者にPRできます。
◎応募・問い合わせはメールやフォームで
応募方法を電話だけにすると、求職者にとってハードルが高くなります。24時間受付可能なメールや応募フォームを案内しましょう。配付資料にQRコードを掲載して応募フォームへ誘導すると効果的です。
◎終了後のフォローも大切に!
求職者には数日以内にお礼のメールを送りましょう。応募の流れを改めて説明し、「ご質問などお気軽にどうぞ」と添えると印象アップです。気になった求職者には、定型文だけでなく「その人に向けたメッセージ」をひとこと添えると、「あなたに来てほしい」という特別感が伝わります。
まとめ
合同企業説明会は採用手段の一つとして、求人広告とは違う役割や目的を持っています。ただ出展するのではなく、各回の目的や狙いをしっかり定めてから出展することで、より効果は高まるでしょう。
また求人との連携も大切です。開催後に「もう一度求人情報をチェックしたい」という求職者も多くいますので、終了後のことも計画しておきましょう。
※この記事は2025年9月18日に開催したジョブキタオンライン勉強会「転職フェアを成功に導く!準備から当日まで」の内容を元に制作しています。
●ふくしのよろずや神内商店合同会社
代表 神内秀之介さん
公益社団法人日本社会福祉士会理事を筆頭に数多くの肩書を持ち、介護経営のコンサルタントとして、福祉業界のサービスや経営環境、就労環境の向上のために講演活動やさまざまな経営のアドバイスを行っている。