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【採用トレンド】「辞めるの1週間待って」をブラックバイトと感じるZ世代

メルキタ

2023.08.07

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「ブラックバイト」といえば、本来は劣悪な労働環境や給与未払いといった違法性の高いバイト先を指す言葉。ところが、Z世代は、法的に正しかったり不当とは思えないこちらからの依頼でさえも「ブラック...」と感じる人も少なくないようです。今回は高校生から大学院生までを対象にアンケートを実施、どんなことを「ブラックバイト」と捉えるか、リアルな声を聞いてみました。
※ブラックバイトアンケート 2023年4〜7月調査 北海道に住む高校生〜大学院生127名が回答

法も常識も越える、Z世代のブラックなシチュエーション

まず、「ブラックバイトの経験はありますか?」という問いに対しては、約9割のZ世代が「ノー」と答えています。「イエス」の理由も回答してもらったところ、「賃金の未払い・遅延」や「勤怠管理がずさん」「パワハラ・セクハラ」といった、誰もがブラックバイトと聞いて想像する悪質なものが大半でした。

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ただし、次の質問でこれまでの常識が通じない側面があることが浮き彫りになります。以下の5つのシチュエーションを、ブラックバイトだと思うかどうか答えてもらいました。

(1)シフトでは休みの日なのに、その日になって「休むスタッフがいるから代わりに出られない?」と連絡がくる。 black_001.jpg
(2)休み希望を出したのに一部の希望しか通らず「ごめんね」と謝られた。 black_002.jpg
(3)「辞めたい」と伝えても、「人手が足りないから1週間待って」と言われた。 black_003.jpg
(4)ホールスタッフなのに、人が足りないからとキッチンの洗い場の手伝いをお願いされた。 black_004.jpg
(5)面接で週3回働きたいと話したのに、週4日シフトの週があった。 black_005.jpg


回答は
(2)(3)(5)が「ブラックバイトだと思う」が「ブラックバイトだと思わない」を上回るという結果でした。アルバイトを辞める場合、民法では「退職希望日の2週間前までに辞める意思を伝えること」とされています。例えば、(3)のシチュエーションは違法性もなく、せめて1週間は待ってほしいという当然のお願いともいえますが、「すぐ辞めたいのに!」と憤る若者が多く、それがイコールブラックバイトと判断されてしまうのです。

(2)と(5)に関しても、常に休み希望が通らない、常態的に週4日のシフトを強いられる、というわけではないと推測されます。「こんなことくらいで!?」と思うようなことでさえ、Z世代はブラックバイトだと感じることがあるのです。

ブラックバイトと言われないために必要なことって?

雇用側の「些細なお願い」をブラックバイトだと認識することも多いZ世代。このすれ違いを防ぐには、やはり事前の確認や日ごろのコミュニケーションが重要だといえます。

例えば...

◎求人広告に「繁忙期や人員体制によってはシフトが増えることもごくまれにある」と明記する。
◎面接時に「基本は週3日のシフトだけど、週4日をお願いすることもある」と伝える。
◎面接時に「希望休は100%通るわけではないけれど、それでも大丈夫?」と尋ねる。
◎入社日に「もしも辞める際は2週間前までに知らせて」と話しておく。

このように先手を打っておくことも今の時代には大切です。

また、日ごろから良好なコミュニケーションを取っていたり、伝え方を工夫するだけでも、お願いごとの受け取り方は大きく変わるはずです。当然ながら、すべてをZ世代の認識に合わせる必要はありませんが、これまで以上に注意深くケアすることで「ブラックバイト」の濡れ衣を着せられるリスクが減ることを意識してみませんか?