個人情報の利用目的、きちんと明示してますか?
メルキタ
2024.12.02
採用活動において、応募者の名前や履歴書を収集するのは避けて通れない道。ですが個人情報保護法第17条で個人情報の利用目的をできるだけ特定することが求められている上に、2022年10月の職業安定法改正により、こうした個人情報の利用目的を明示することが企業に義務づけられていることはご存じでしょうか。ではどのように明示すればよいのか、そもそも集めてはいけない個人情報についても具体例を交えてお伝えします。
個人情報の利用目的、具体的にはどう伝える?
採用活動で収集した個人情報の利用目的の明示はできるだけ具体的に行うことが重要です。
企業の誠実さが伝わるように、次の対応例を参考にしてみましょう。
自社Webサイトや求人ページの見つけやすい位置に「個人情報の利用目的」を明示しましょう。例えば、「面接日時の連絡のために利用します」「募集告知に関するメールマガジンを配信するために使用します」など、用途を具体的に記載して、プライバシーへの配慮を。
応募者からの電話応募時には、「今回いただいたお名前や連絡先は面接日程の連絡にのみ利用します」というように、使用目的を詳しく説明すると、応募者に安心感を与えられます。
郵送やWeb応募の際には、応募要項や応募ページに「ご提供いただいた個人情報は、面接日程の調整および選考結果のご連絡のみに利用します」と記載しましょう。「採用目的以外で使用することは一切ありません」と付け加えるのも応募者の不安を和らげられるのでグッド。
面接で履歴書やその他の個人情報書類を受け取る際には、「この情報は選考のための判断および結果通知にのみ使用します」と具体的に伝えます。もし不採用の連絡をする際には、履歴書を返却するのか・破棄するのかをきちんと伝えるなどの対応も求められます。
(採用者・不採用者の履歴書の保管に関しては下記の記事も参考にしてみてください。履歴書の保管期間を知っていますか?)
「そもそも集めてはいけない個人情報」にも要注意!
職業安定法の指針では、人種や信条、労働組合の加入状況などは、特別な理由がない限り収集を避けるべきとされています。
以下の情報は、職務に直接関係する場合を除き、原則として収集を避けましょう。
【要配慮個人情報の具体例】
・人種、信条
・社会的身分
・病歴、健康診断結果
・障害の有無
・犯罪歴
など
さらに、要配慮個人情報の具体的な避け方や注意点をご紹介します。
企業が特定の履歴書フォーマットを指定する場合、「宗教」や「出身地」などの項目が含まれていないものを指定することで、採用選考に関係の無い情報の収集を防げます。
「本籍地」や「家族構成」などを尋ねることで、結果的に収集を避けるべき情報が得られるリスクがあるため、質問内容を事前にチェックしておきましょう。面接担当者には、「仕事に必要な能力や適性のみに焦点を当てて質問する」ことをあらかじめ周知するのがポイントです。
自社のプライバシーポリシーに「採用プロセスでは収集しない情報」について明示しておくと、応募者に対して安心感を提供できるとともに、情報管理の姿勢を明確にできます。
まとめ
SNSなどでの情報共有が簡単にできる今の時代、企業が適切な情報管理をしているかどうかは、応募者や顧客からの評価を左右することもあるはず。個人情報の利用目的を明示することは、求職者に「安心して応募できる企業」という印象を与えるだけでなく、企業の信頼性や社会的責任を果たしているという証明にもなりますね。