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【レポート】介護オンライン相互勉強会「効果的な1on1の実施ポイント」

メルキタ介護

2025.02.19

ジョブキタ主催で毎月開催している「介護事業所向けオンライン相互勉強会」。今回は1月16日(木)に行われた「効果的な1on1の実施ポイント」のレポートをお届けします。講師はふくしのよろずや神内商店合同会社の神内秀之介さんです。

"セミオフィシャル"な対話で、離職防止を。

2024年12月に厚生労働省から発表された「令和5年度介護サービス施設・事業所調査」によれば、2023年10月時点での日本の介護労働者は前年に比べて2万9000人減少。調査を始めた2000年以降、減少に転じたのは初めてのことだと報じられました。こうした現状を踏まえ、離職防止のために「1on1ミーティング」の実施方法を見直すべきだと神内さんは言います。
「1on1ミーティングとは上司と部下が1対1で行う対話の場で、職員の悩みや目標を引き出すための手法です。導入により離職率は20%減少、職場満足度は15%増加したという事例もあります。注意点としては、人事評価面談とは別であるということ。業務上の目標を引き出すだけではなく、個々人のライフサイクルにも目を向けたサポート提供の場であることを踏まえてください」
またミーティングはオフィシャルな場ではないけれど、プライベートな場でもない。いわば"セミオフィシャル"な場。単なる雑談ではなく、信頼関係の構築を目的としたコミュニケーションをするべきだと神内さんは説きます。

「事前準備としてまず、ワークショップの実施、管理者へのフィードバック技術の指導など、質の高いコミュニケーションを実現させるための体制づくりから始める必要があります。同時に現場のニーズに合った目標設定と仕組みづくり、進行管理方法を策定し、持続可能な体制を確立しておくことも重要です」

効果最大化の鍵は、目標に応じた内容とフィードバック。

1on1ミーティングの効果を最大化するためには一人ひとりに明確な目標設定を行う必要があり、質問リストを作成しておくことも効果的だと神内さんは説明します。
「質問をする側にとっても、される側にとっても、ある程度型が決まっていると安心です。仕事におけるモチベーションについて、業務・組織課題について考えていることのほか、プライベートや健康に関わる質問などを用意しておくのも良いでしょう」

▼プライベート、健康に関する質問例
image1.png▼目標設定や今後のキャリアについての質問例
image2.pngさらに内容の適切な記録と継続的なミーティングの実施が、進捗の追跡と長期的な目標達成につながると神内さんは続けます。
「記録してフィードバックすることで、齟齬が生じることなく対話内容を共有できます。聞いてもらった側の満足度が高まるだけではなく、次回に向けた計画も立てやすくなるため、より効果的な1on1ミーティングが実現します。また、初めから完璧を求めたり、その場で問題解決を急いだりせず、定期的に何度も実施する中で信頼関係を構築していくというのもポイントです」

建設的なミーティングのために、焦らず聞く姿勢を。

勉強会の後半では、参加者から相談や質問が寄せられました。一例を紹介します。

参加者A:非常勤職員を対象に10~15分程度で実施しています。何か質問しても「特にありません」と言われてしまい、何も聞けずじまいということもあったので、改めて質問リストを作ってみようと思いました。面会室だとお互いかしこまってしまうので、別の場所でやってみようかなとも思っています。

神内さん:雰囲気づくりはとても大切ですね。質問内容について言えば、悩みや困りごとばかりを聞き出そうとしなくても構いません。上手くいっている話や、最近あったうれしかったこと、これから挑戦してみたいことなどにも耳を傾け、関係構築を目指しましょう。

参加者B:不平不満が出てきたらと思うと怖くて実施に踏み切れません。そういった相手に対してどのようなマインドセットで対応したら良いのか、逆になかなか会話が続かない場合にはどうアプローチをしたら良いのか悩んでいます。

神内さん:そもそも1on1ミーティングは事業や業務の改善に直結するものではありません。不満を聞く機会とは分けたほうが良いでしょう。あくまで対話の時間を設けて、繰り返すことで関係構築を図るのが1on1ミーティングです。質問を投げかけて返答がない場合でも、定期的にミーティングの機会を設けて相手が話せるようになるまで待つ。焦らないことが大切です。

参加者C:定期的に実施していますが、実際に「困っていることや頑張っていることを、わざわざ時間をつくって聞いてもらえてうれしい」「励みになる」という声も多く1on1ミーティングの大切さを実感しています。

以上、今回のレポートは勉強会の一部を紹介しました。

<講師>
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●ふくしのよろずや神内商店合同会社

代表 神内秀之介さん
公益社団法人日本社会福祉士会理事を筆頭に数多くの肩書を持ち、介護経営のコンサルタントとして、福祉業界のサービスや経営環境、就労環境の向上のために講演活動やさまざまな経営のアドバイスを行っている。