法律違反の可能性も!?「もう締め切った・決まった」の断り文句
メルキタ
2024.10.07
求職者からの応募電話が不適切だった場合や、Web応募の段階で求める人物像とかけ離れていたりする際、「応募は締め切りました」「もう採用が決まってしまって」と断っていませんか?実はこれ、気軽に使うのはNGの可能性があるのです。
「もう決まっている」のに、求人広告が掲載されているのは法律違反とみなされる恐れ!
「もう締め切った・決まった」は、相手を傷つけずに採用を見送る便利な断り文句として、かつて使ったことがある、という事業者もあるかもしれません。しかし、今は法律違反につながる可能性があるのです。というのも、「職業安定法」では、求人情報を提供する事業者(当社のような求人メディアなど)に、以下のような「求人情報を正確かつ最新に保つための措置」を講じることが義務付けられているのです。
・求人者に対して、求人が充足した時や内容を変更した時は速やかに通知するよう依頼する
・掲載内容が正確かつ最新の内容でないと判明した場合は、速やかに内容訂正の依頼、又は掲載を中止する
・募集の時点を明示する
つまり、「もう決まった」と言いながらも求人広告を掲載し続けている状態は、「最新の情報を提供していない」ため職業安定法違反とみなされる恐れがあるのです。
募集終了の際はすぐに求人広告を取り下げ、応募者に対しても誠実に丁寧に!
実際に採用決定などの理由から募集を終了する際は、すぐに求人メディアや自社サイトから求人広告を取り下げることが必要です。当社の求人媒体に掲載中の場合も、早急にご連絡いただければ速やかにご対応します。求人広告を取り下げた上で、実際に応募を締め切っている場合、以下のような言い回しが適切です。
・ご応募いただき、心より感謝いたします。募集ポジションに関しては変更があり、求人広告の更新を予定しています。次回の募集でぜひ再度ご応募ください。
・今回は求人広告を取り下げて募集が終了しておりますが、今後の求人がございました際には、ぜひ再度ご検討ください。
このようにシンプルで丁寧な言い回しに加え、応募に対する感謝も伝えるのがグッド。求職者も「次の募集があった時も応募してみよう」と前向きに考えてくれ、今後の応募の可能性も広がります。仮に求人を取り下げずに事実ではない断り方をしてしまうと、もし採用できずに求人広告を再掲載する場合「もう決まったというウソの理由で断られた!」とクレームにつながったり、SNS等で投稿されてしまうことも考えられます。応募者にはしっかりと事実をお伝えしましょう。
まとめ
・「もう決まりました」「締め切りました」が事実ではない場合、応募者への断り文句として使うのは避けましょう
・募集を終了する際は求人メディアや自社サイトから求人広告をすぐに取り下げることが必須
・求職者には丁寧に事実を伝えてお断りすることが大切
この他、求人広告に記載のない勤務条件や資格、経験を持ち出して断ったりすることも正確な情報ではないとみなされ、伝えた通りの募集内容に変更を求められる恐れもあります。適切な対応でトラブルを回避し、より良い採用活動を実現しましょう。