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【規則・法律あれこれ】最高で75%以上の割増も!?知っているようで知らない割増賃金

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2022.08.16

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割増賃金には残業割増、深夜割増、休日割増の3種類が存在することはみなさんご存じだと思います。 しかし、働き方次第でそれらが適用されたりされなかったり、あるいは合算されたりなど、詳細なルールを把握している方は少ないかもしれません。図解入りで分かりやすくご説明します。

「残業割増」

いきなりですが問題です。

5時間契約のパートさんに残業してもらった場合、残業割増は必要でしょうか?

正解は、1日の労働が8時間以内なら不要、8時間を越える場合は必要、でした。

残業には法定労働時間(1日8時間・1週40時間)の範囲で行われる「法定時間内残業」と、法定労働時間を越えて行われる「法定時間外残業」があります。前者の場合、法令上割増の必要はなく、通常時給のみの支給で問題ありません。後者の場合は、雇用主は労働者に対して通常時給(基礎賃金)の25%以上の割増賃金を払うことが労働基準法(第37条)で決められています。
ちなみに、月60時間を超えて残業した場合、大企業の残業割増は50%以上です。中小企業への適用は2023年4月1日からとなります。

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残業は雇用主側の都合で突然発生するケースが多く、急に残業を頼まれることに不満を感じるパートさんも少なくありません。そんな不満を解消するため、中には8時間以内(法定時間内残業)であっても割増した賃金を支給して、快く残業を引き受けてもらえるようにしている事業所もあるようです。

深夜割増と休日割増

残業以外に割増賃金が必要なケースは2つあります。

深夜割増
22〜翌5時の間に労働した場合は、25%以上の割増が必要です。

休日割増
法令で必要とされる週1日の「休日(法定休日)」に労働した場合、35%以上の割増が必要です。もともと法定休日は労働時間として定められた時間がないため、「残業」の概念がありません。よって、労働時間全てが35%以上の割増賃金にて支給されます。
一方「法定外休日」に労働した場合は、休日割増は適用されず、8時間を越えた分は25%以上の残業割増賃金が必要となります。

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最高で75%以上の割増も!
2つの割増賃金が合算されるケース

◉残業が深夜帯の労働だった場合
残業割増(25%以上)+ 深夜割増(25%以上)...50%以上の割増

◉休日出勤し、尚且つ深夜帯の労働だった場合
休日割増(35%以上)+ 深夜割増(25%以上)...60%以上の割増

◉残業が60時間を超え、尚且つ深夜帯の労働だった場合(大企業のケース)
残業割増(50%以上)+ 深夜割増(25%以上)...75%以上の割増

割増賃金は何か一つが適用となるのではなく、合算されるものです。75%以上の割増が適用されるケースはあまりないかもしれませんが、労働時間を現場任せにしていると人件費がとんでもない額になってしまうことも。また、割増賃金を法令通りに支給していなかった場合、大きなトラブルに発展しかねません。今一度、割増賃金の理解を深め、適切に労働時間を管理していきましょう。