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【レポート】介護事業所向けオンライン相互勉強会  「ミスマッチを防ぐ人材採用について」

メルキタ介護

2021.12.02

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毎月、ジョブキタ主催で開催している「介護事業所向け オンライン相互勉強会」。今回は10月21日(木)に行われた「ミスマッチを防ぐ人材採用について」の様子をレポート。講師はふくしのよろずや神内商店合同会社の神内秀之介さん、そして北海道アルバイト情報社の求人営業3名も解説として登壇しました。

kamiuchi.jpg●ふくしのよろずや神内商店合同会社
代表 神内秀之介さん
公益社団法人北海道社会福祉士会理事を筆頭に数多くの肩書を持ち、福祉業界のサービスや経営環境、就労環境の向上のため、介護経営のコンサルタントとして、講演活動やさまざまな経営のアドバイスを行っている。



チェックボックスで課題を整理

神内さんによると、採用活動にあたって最初にすべきことは課題の整理。人材確保の仕組みを「採用管理」「定着管理」「就労条件」「理念・価値観」の4つに分けたのが下の図です。その中でどこに課題があるのか洗い出し、何を解決すべきか明確にすることで、適切な人材の採用と定着率の向上につながるといいます。

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課題を整理する時に使いたいのがチェックボックス。勉強会ではチェック項目の一覧を使いながら「キャリアパスを設計する」「求人媒体を工夫する」といった解決の手法を説明しました。

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求人広告は細かな情報の積み重ねが大切

次に北海道アルバイト情報社の求人営業から、介護業界で求職者の知りたい下記のポイントを踏まえ、細かくても「伝えるべき情報」を積み重ねることがマッチング精度を高めると解説しました。

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メルキタ介護7月13日号 求職者アンケートより

・職種タイトルを工夫

単に「介護スタッフ」と記載するのではなく、「介護付き有料老人ホームのスタッフ」のように施設形態を明確に記載することで、求人内容を見てもらえる可能性が高まります。

・キャッチコピーや内容を具体的に

「当ホームは3フロア構成」「職員配置は2:1以上」「一人ひとりを大切にした介護を実践」など、職場の特徴やスタッフへの配慮について具体的にアピール。

・給与例には経験年数も

求職者は昇給ペースも知りたいもの。給与例は経験年数で区切ることが大切です。加えておすすめしたいのは、勤続年数も併記した月収例や年収例です。

・待遇も詳細に

交通費の有無と、その支給上限、手当、前年度の賞与(ボーナス)の金額も記載してください。



経験者採用は人材紹介サービスも視野に

勉強会のラストは意見交換や質疑応答。神内さんと当社の求人営業3名が回答にあたりました。その一例をご紹介します。

Q.時期によって求人ニーズに変動はあるのでしょうか?

A.求人自体はやはり春先のニーズが高いのは確かです。しかし介護は超・売り手市場。慢性的な人手不足で複数の事業所が求人を出していますので、常に露出し続けることが大切です(HAJ)

Q.常に露出をすると「評判が良くない?」など、デメリットになることはありませんか?

A.介護業界を目指す求職者は人手不足であることを承知の上で就職活動していますから、頻繁に求人を目にすることは必ずしもマイナスにはならず、「採用にしっかり時間やお金を掛けている事業所」といった印象を与えることもできるでしょう(HAJ)

A.同じ求人広告を長期にわたり掲載するのではなく、変化や工夫を加えて、募集に関する熱量も伝えることが重要です(神内さん)

Q.経験者がなかなか集まりません。

A.いずれの業種も「ハイスペック人材」と呼ばれる優秀な経験者の採用は難しいのが現実です。一般の求人だけでなく、人材紹介サービスを利用するのも良いでしょう。待遇の見直しも必要です(HAJ)

A.こんな役割のために、こんな人材が何人欲しい。そのために環境を整えてこんな研修システムを...など、明確化した戦略が必要。一般の求人だけでなく、たくさんの手法や媒体で募集やスカウトをかけることをおすすめします(神内さん)

以上、今回のレポートは勉強会の一部を紹介しました。