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気をつけて!採用辞退を招く面接NG質問例(2020.9.23)

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2020.09.23

CSS title.jpg 「ようやく応募があって、喜んで面接し内定を出したのもつかの間...。内定者から採用辞退の連絡が! もしかしたらそれ、面接に理由があるかもしれません。 実は、採用担当者が"良かれと思って"した質問の真意がキチンと伝わらず、誤解を招いてしまっていることもあるんです。 そこで、求職者の実体験をもとに、採用担当者の思惑と求職者の感じ方にズレがある、もったいない面接シーンをまとめました。


シーン①
何も聞かずに採用!
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採用担当者
採用です。(若者が応募してくれただけでありがたい!)
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求職者A
え!
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採用担当者
それで、いつから働けますか?
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求職者A
??(即採用ってこと?何も聞かれてないけど、それって誰でも良いってこと?)
未経験・無資格でも採用してくれたのはとてもありがたかったのですが、面接で全然手応えがなく、自分に興味を持ってもらえたように思えませんでした。
別の事業所では志望動機なども丁寧に聞かれ、担当者から事業所の魅力を改めてアピールしてもらえたので、そちらに入社することにしました。
「自分でなくても良いのだ(=誰でも良いのだ)」と感じることは、求職者にとって決して良い気持ちではありません。履歴書を見ながら応募動機について触れてみるなど、あなた「で」良いではなく、あなた「が」良いというメッセージを伝えましょう。また、当社に入ったらこんな経験ができる、こんなメリットがあるよ...というアピールもぜひしてください。
シーン②
ちょっとでも経験のある人は即戦力扱い
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採用担当者
デイサービスで5年働かれていたんですね、じゃあうちでも大丈夫ですね?
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求職者B
小規模多機能は経験がないのですが...。
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採用担当者
即戦力として期待していますよ!(キャリアをとても評価しているつもり)
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求職者B
でも一日の仕事の流れはデイサービスとは違いますよね?(どんなことを期待されているかわからなくて逆に不安...。)
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採用担当者
介護職5年経験あるなら大丈夫、大丈夫〜!(OJTでなんとかなる)
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求職者B
そうですか...。(経験者には研修も全くないのだろうか?)

キャリアを認めてもらえたのはうれしかったです。ただ、自分が働いていた事業所以外のことは全然知らなくて...。
事業所の業務内容や一日の仕事の流れなどは説明があれば安心でした。自分の経験を生かせることが何か分かれば、もう少し自信になったのになぁ。不安が払拭できないまま採用されるのもコワくて、結局、経験のあるデイサービスの別の事業所に入社することにしました。
どんなに経験があっても転職は求職者にとって不安なものです。「経験者なら知っているだろう」という先入観は捨てて、丁寧な説明や研修を心がけましょう。
シーン③
メンタル疾患、ありますか?
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採用担当者
精神疾患での通院歴はありますか?(最初にわかれば、状況に合わせて業務フローに負担をかけないように配慮してあげたい)
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求職者C
実は、3年前に薬を飲んでいたことがあります。(いきなり病歴を聞かれたよ...。)
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採用担当者
なるほど。夜勤は難しいですか。(二人夜勤体制にしてあげようかな)
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求職者C
申し訳ありません...。

後々聞いてみたら、仕事柄腰痛のある人やメンタル面で一人での夜勤に不安のある人には配慮してくれる事業所とのことでした。落とすために聞いている質問ではなく、採用するために確認している質問だったとわかり、結果その事業所に入社しました。最初から「その人に合った働き方の配慮もできるので、体調面で何か伝えておきたいことはありますか」と聞いてくれたらもっと良かったのに...!
応募者にとって面接での質問は、すべてが採否判定のためと受け止められてしまいます。 そのような中で病歴や健康状態などを質問することは、差別的と受け止められる恐れがあり、また知らず知らずのうちに採否の判断に影響を与えてしまいかねません。
今回は採用後の配置や業務分担などを配慮するという意図で聞いたものですが、具体的な病名などをあげて確認するのは誤解を生むことになりますので、質問の意図を明確にした上で、「メンタルも含めて体調面で配慮が必要なことなどがあればあらかじめ教えて下さい。できるだけ負担の掛からないようにします」と伝えれば安心してもらえるでしょう。
シーン④
人間関係を重視するあまり
明らかなNGワード...!
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採用担当者
一番最初に聞いておきたいことがあります、血液型は何型?
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求職者D
...O型ですが...?
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採用担当者
あー!O型かぁ〜、なぜかO型の人ってウチで長続きしないんだよなぁ〜。
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求職者D
...。(血液型でダメ出し?!)
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採用担当者
えーっと、ではとりあえず...当社を志望した理由を教えてください。
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求職者D
は、はい、そうですね、御社の介護方針の...(ここには入社しないな...)
採用担当者と事業所のスタッフが同席するアットホームな雰囲気の面接で、それは良かったのですが、さすがにこれは採用されたとしても入社しないな、と思いました。他にも、家族構成を聞かれたり、親の職業について聞かれたりしたことも結構ありますね。
介護業界に応募する求職者は面接慣れしていない方が多いようです。 緊張を解くような簡単な質問から面接をスタートするのはとても良いと思いますが、血液型や出身地、家族に関することなど、本人の責任ではないことを質問するのは、差別的な採用基準を設けているとの誤解を与えかねません。またそういった質問そのものが苦痛と感じる方もいますので、十分に注意が必要です。相手の立場に立った質問を心がけたいですね。

いずれのケースも、求職者への配慮やその場を和ませるためのちょっとした「質問」のはずだったのですが、結果的に採用を遠ざけていました。 せっかく志望してくれた求職者との縁を結ぶためにも、今一度面接の「質問」を見直してみませんか。