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【レポート】介護事業所向けオンライン相互勉強会 人材定着に向けた「辞めない職場作り」

メルキタ介護

2022.01.06

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介護業界における人材課題の解消を目指し、ジョブキタ主催で実施している「介護事業所向け オンライン相互勉強会」。今回のテーマは人材の定着について考える「辞めない職場作り」です。入社したての新人と優秀なベテラン。それぞれのケースで、離職を防ぐにはどんな取り組みが効果的かを考えます。講師はふくしのよろずや神内商店合同会社の神内秀之介さんです。

kamiuchi.jpg●ふくしのよろずや神内商店合同会社
代表 神内秀之介さん
公益社団法人北海道社会福祉士会理事を筆頭に数多くの肩書を持ち、福祉業界のサービスや経営環境、就労環境の向上のため、介護経営のコンサルタントとして、講演活動やさまざまな経営のアドバイスを行っている。



新人さんには職場が安全であることを示す

「採用したばかりの新人が数カ月(あるいは数日)で辞めてしまった!」なんて事態はできるだけ避けたいもの。採用に費やした時間とコストが大きいほど、会社へのダメージも大きくなります。ではどうすれば短期間での離職を防ぐことができるのか。神内さんは「新人さんには特に心理的安全性を確保することが重要」と話します。

心理的安全性とは、その職場が安心して働ける安全な場所かということです。ここで言う「安全な職場」とは、例えば次のような恐れを感じなくて良い場所ということになります。

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新人にこのような不安やストレスを感じさせないためには、職場内の基本的な取り決めを「標準化(見える化)」することが効果的です。教える人によって言うことが違ったり、手順が違ったりすると新人さんは不安を感じ、職場への不信感にも繋がってしまいます。可能な限り標準化・見える化を徹底することが大切です。

優秀なベテランにはニーズへの寄り添いが肝心

続いてはベテランスタッフの離職を防ぐ方法について考えていきます。退職を考えてしまう理由と対策は次の通り。

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また、育児や介護といった家庭の事情で離職を考える人も多いことから、短時間正社員制度やテレワークの導入など、働き手のニーズに合わせた多様な働き方を認めることも重要です。

相談相手や環境を変えて適度なガス抜きを。
評価は「納得感と継続性」を大切に。

後半のディスカッションでは、新人のモチベーションを高める方法や、職場での面談について質問があり、参加者からさまざまな意見が寄せられました。その一部をご紹介します。

Q.新人が入って半年、いまいちモチベーションが上がっていない様子が見受けられます。皆さんの施設ではどのように対応していますか?

A.相談窓口を複数置き、不安や悩みを言いやすい環境を作っています。もし上長との関係に悩んでいるとしたら誰にも相談できなくなってしまうため、人事部門でも積極的にスタッフの声に耳を傾けるようにしています。また相談相手も複数できるよう、交流の少ない人同士でチームを組ませる事もあります。(参加者)

Q.スタッフ面談の頻度や進め方、評価についてアドバイスを頂きたいです。

A.私の施設では月に一回、1回あたり15分から30分程度の面談をしています。面談にはシートを用い、スタッフがやったこと、わかったこと、次にやることを記載。本人が振り返りつつ、上長がレビューするという形です。(参加者)

A.評価制度はスタッフの納得感と継続性が重要です。最初からハードルを上げすぎず、皆が納得しやすい簡単なものからスタートするのもひとつですね。(神内さん)



以上、今回のレポートは勉強会の一部を紹介しました。