「今すぐ中途採用したい」が半分以上!苫小牧市の事業者のホンネ
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2024.09.26
苫小牧市が実施している「労働基本調査」。その調査結果において、正規従業員の中途採用を計画している事業所のうち、半分以上が「すぐにでも採用したい」と回答しています。一方で、正規従業員を採用できなかった事業所は全体の約4割という結果も。本記事では、最新の「令和4年度労働基本調査報告書」より、中途採用の募集内容を見直す参考になる結果を抜粋してご紹介致します。
※調査対象やその方法等、詳細は文末のリンクより参照ください。
令和4年度労働基本調査報告書まとめ
労働力の現状と今後の対応
261事業所(69.6%)が「労働力が不足している」と回答し、今後の対応としては「中途採用の拡大」が最も多く252件という結果でした。
採用の状況
労働力を確保するための取組を実施している事業所は311事業所(83.6%)でしたが、その手段は「ハローワークへの求人」が最も多く、次いで「民間求人サイト」という結果でした。
尚、採用結果に関しては「採用できた」と回答したのは202事業所(65.4%)、「採用できなかった」と回答したのは107事業所(34.6%)でした(令和3年10月1日〜令和4年9月30日までの期間)。
また、採用のための予算措置があると回答した96事業所(30.8%)の予算額を平均すると、年間112.9万円でした。
働き方改革に向けた取組について
企業内における改善・改革の取組内容としては、「有給休暇の取得義務」が最も多く、次に「労働基準法第36条に基づく協定の遵守」と続きます。労働環境の改善を図る取組に注力していることが伺えます。
平均基本給と賃金引き上げ状況
正規従業員の平均基本給の額を見てみましょう。「55歳大学卒の男性」が最も高く、「25歳高校卒の女性」が最も低い結果となりました。
また賃金引き上げを実施した事業所が315事業所(84.2%)で、引き上げ方法は「定期昇給」が最も多いという結果に。
男女間での賃金格差が見られる状況で、その解消に向けて取組をしている事業所は176事業所(49.9%)あり、その取組内容で最も多かったのは「賃金表の整備」、次いで「生活手当の公平な支給」という結果でした。
雇用や職場環境の多様化における苫小牧市の状況
最後に、多様化社会へ移行しつつある状況において、苫小牧市の実態を見てみましょう。
障がい者雇用
障がい者雇用をしている事業所は、全体のうち66事業所(17.3%)でした。また、障がい者雇用率制度の該当事業所は114事業所(30.6%)であり、そのうち法定雇用率を達成していると回答した事業所は31事業所(27.2%)という結果でした。
女性の管理職登用状況
管理職全体の人数1,346人に対し、女性管理職は288人(21.4%)の割合でした。また各業種における女性管理職の割合は「教育・学習支援業」が100.0%と最も高く、次いで「宿泊業・飲食サービス業」が66.7%でした。今後の女性管理職増員予定に関しては、「増員予定なし」と回答した事業所が多く、199事業所(58.0%)という結果でした。
外国人労働者
外国人労働者を雇用している事業所は、全体のうち25事業所(6.7%)で、その人数は60人でした。その背景には「人手不足解消のため」といった理由があり、増加傾向にあります。
テレワークの実施状況
テレワークを実施した(している)事業所は86事業所(22.7%)であり、そのうち新型コロナウイルス感染症の影響により実施した(している)事業所は74事業所(93.7%)と、コロナ禍をきっかけに導入した事業所が多いことが伺えます。
中途採用のライバルは誰か?
上記の結果と自社の状況を照らし合わせた結果はいかがでしたでしょうか?「この分野では平均よりも高かったが、この分野においては取り組めていなかった」など、客観的に自社を評価することができると思います。
求職者は少しでも自分に合った職場を選びたいと思うものです。仕事のやりがいだけではなく、労働条件や職場環境、福利厚生など、あらゆる観点で転職先を比較します。中途採用の募集において、自社の魅力をアピールする工夫の他、どの企業がライバルになるのか?どんな市場から転職者を集めていくのか、といった視点からも中途採用の見直しをすることができます。
業界内での自社の労働条件は良いのか悪いのか。
募集範囲は市内なのか、道内なのか、全国なのか。
採用ターゲットをどこまで多様化していけるか。
各自治体や国が公開しているデータから、自社の立ち位置を俯瞰して把握し、優位に立てている点はどこか、改善できるところはないか、などを分析し対策を立てていくと、中途採用を有利に進めていくことができます。苫小牧市に限らず、他の市町村や北海道、全国の労働調査結果もぜひ参考にしてみてください。